セラミック治療は痛い?麻酔・削るとき・治療後の痛みを江東区西大島の歯科医師が解説

セラミック治療は痛い?

「セラミック治療は痛いのだろうか」「麻酔の注射や、歯を削るときがこわい」——セラミックの詰め物・被せ物を検討するとき、見た目や費用と並んで気になりやすいのが痛みのことです。

結論からお伝えすると、歯を削るなど痛みを伴いやすい処置は、局所麻酔で痛みを抑えながら進めるのが一般的です。一方で、麻酔の注射の感覚や、治療後しばらく続く「しみる」「噛むと痛い」といった症状が出ることはあります。時間とともに落ち着くこともあれば、調整や追加の処置が必要になることもあります。

この記事では、江東区西大島でセラミック治療を行う当院の歯科医師が、麻酔、歯を削る、型取り、仮歯の期間、装着、装着後という治療の段階ごとに、痛みが出る理由、一般的な経過、和らげる工夫、受診したいサインを整理します。神経を取った歯や、数年たってからの痛みについても取り上げます。

読み終えたときに、「どの段階で何が起こりうるか」「どんな痛みなら様子を見てよく、どんな痛みなら早めに相談したほうがよいか」、そして治療前に歯科医師へ伝えておきたいことがわかる内容です。

目次

この記事の要点

  • セラミック治療で歯を削る処置は、局所麻酔を使って痛みを抑えながら行うのが一般的で、注射の刺激を和らげる工夫もあります。
  • 痛みや違和感が出やすいのは、麻酔の注射、麻酔が切れた後、仮歯の期間、装着後しばらくの時期で、原因は段階ごとに異なります。
  • 装着後のしみる・噛むと痛い症状は、日ごとに軽くなるなら経過を見ることが多い一方、強くなる・長引く・何もしなくても痛む場合は早めの受診が必要です。
  • 神経を取った歯や数年後の痛みには、根の先の炎症、歯根破折、二次う蝕(治療した歯に再びできる虫歯)、歯周病などが隠れていることがあります。
  • 麻酔が効きにくかった経験、持病・服薬、痛みへの不安は、治療前に伝えておくと進め方を調整しやすくなります。

セラミック治療は痛い?治療中は局所麻酔を使うのが一般的です

セラミック治療で歯を削るときは、局所麻酔を使って痛みを抑えながら進めるのが一般的です。麻酔がしっかり効いていれば、削る処置の最中に強い痛みを感じることは少ないとされています。気になりやすいのは、むしろ麻酔の注射そのものや、麻酔が切れた後の時間です。

セラミック治療とは、虫歯の治療や見た目の改善のために歯を削って形を整え、セラミック(陶材)などで作った詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を装着する治療のことです。保険適用外の自由診療で、素材や特徴についてはセラミックとは何かをご案内しているページでも説明しています。

局所麻酔とは、治療する歯の周りだけに麻酔薬を注射して、一時的に痛みの感覚を抑える方法のことです。意識ははっきりしたままで、処置が終わってもしばらくは唇や頬、舌のしびれが残ります。

麻酔の注射の痛みを和らげる一般的な工夫

麻酔の注射では、針が刺さるときのチクッとした感覚や、薬液が入るときの押されるような感覚が出ることがあります。これを和らげるため、歯科医院では一般に次のような工夫が行われています。

  • 表面麻酔:注射の前に、塗るタイプの麻酔を歯ぐきに置いて、針が刺さる感覚を鈍らせます。
  • 細い注射針の使用:針による刺激をできるだけ小さくします。
  • 薬液をゆっくり注入する:薬液が一気に入ると圧で痛みを感じやすいため、時間をかけて入れます。
  • 麻酔液の温度への配慮:冷たい薬液による刺激を抑えるため、体温に近づけて使う場合があります。
  • 電動注射器:一定の速度で薬液を注入できる器具を用いる医療機関もあります。

どの方法を用いるかは、医療機関や処置の内容によって異なります。注射が苦手な方は、治療前にその気持ちを伝えておくと、進め方を相談しやすくなります。

麻酔が切れるまで・切れた後に気をつけたいこと

麻酔が効いている間は感覚が鈍いため、気づかないうちに唇や頬を噛んだり、熱い飲み物でやけどをしたりすることがあります。しびれが取れるまでは食事を控えるか、反対側で慎重に噛むようにしましょう。

麻酔が切れた後、注射をした部分の歯ぐきに鈍い痛みが出ることもありますが、一時的なことが多いとされています。削った歯そのものの痛みやしみる感じについては、後の章で段階ごとに詳しくご説明します。

麻酔なしでセラミック治療ができる場合もある?

神経を取った歯(失活歯)は、歯そのものが痛みを感じにくいため、処置の内容によっては麻酔を使わずに進める場合もあります。ただし、歯ぐきの際を削る場合や、型取りの前に歯ぐきを押し広げる処置をする場合は、歯ぐきの痛みを抑えるために麻酔を使うことがあります。

神経が残っている歯では、削る刺激が神経に伝わりやすいため、麻酔を使うのが一般的です。麻酔を使うかどうかは歯の状態と処置の内容によって決まるため、一律に「麻酔なしでできる」とは言えません。麻酔を避けたい理由がある方は、診察の際にご相談ください。

静脈内鎮静法や全身麻酔は使える?

一般的なセラミック治療は、局所麻酔で行うのが基本です。歯科治療への恐怖心が強い場合や、嘔吐反射(器具が入るとえずいてしまう反応)が強い場合などには、医療機関によっては静脈内鎮静法(点滴で鎮静薬を用いて緊張や不安をやわらげる方法)などを用いる場合もあります。

全身麻酔は、歯科では主に設備の整った病院などで、限られた状況に対して検討されるものです。こうした方法を希望される場合は、対応しているかどうかも含めて、事前に医療機関へ確認しておくとよいでしょう。

【段階別】セラミック治療の痛み・違和感の出やすさと対処の早見表

セラミック治療の痛みは、どの段階かによって原因も対処も変わります。処置中の痛みは麻酔で抑えるのが一般的で、痛みや違和感が出やすいのは、麻酔の注射、仮歯の期間、装着後しばらくの時期です。治療の流れに沿って整理すると、次のとおりです。

段階 感じやすいこと 主な理由 一般的な対処・工夫
麻酔 注射のチクッとした感覚、薬液が入るときの圧迫感 針の刺激、薬液の圧 表面麻酔、細い針、ゆっくりした注入など
歯を削る 振動・音・押される感覚(痛みは麻酔で抑えるのが一般的) 器具の振動。炎症が強い歯では麻酔が効きにくいことがある 麻酔の追加、痛いときの合図を決めておく、炎症を先に落ち着かせる
型取り 歯ぐきの圧迫感、材料の冷たさでしみる、えずきやすさ 歯ぐきを押し広げる処置、型取りの材料の温度、器具の刺激 麻酔が効いている間に行う、姿勢や呼吸の工夫、方法の相談
仮歯の期間 冷たいものがしみる、歯ぐきの痛み、噛むと痛い 仮歯は最終的な被せ物ほど精度や密閉性が高くない、縁が歯ぐきに当たる、高さのずれ 硬い・粘着性のある食べ物を避ける、丁寧な清掃、外れたら連絡
装着 仮歯を外すときや歯の表面を清掃するときのしみ 削った面が刺激を受ける 歯の状態に応じて麻酔を使う
装着後しばらく しみる、噛むと痛い、歯ぐきの違和感 削った刺激、噛み合わせの高さ、接着剤の刺激や残り、元の虫歯の深さ 経過観察、噛み合わせの調整、清掃、症状により追加の処置

※痛みの感じ方や経過には個人差があり、歯の状態や処置の内容によって異なります。以下の章で、段階ごとに詳しくご説明します。

歯を削るとき・型取りのときは痛い?麻酔が効きにくいケースも

麻酔が効いていれば、歯を削る処置や型取りで強い痛みを感じることは少ないのが一般的です。感じやすいのは、痛みよりも器具の振動や音、押されるような感覚です。ただし、炎症が強い歯などでは麻酔が効きにくいことがあります。

歯を削るときに痛みを感じるのはなぜ?

日本歯科医師会の解説によると、歯の最も外側にあるエナメル質は削っても痛みを感じない部分です。一方、その内側にある象牙質は、器具でこすったり冷たいもの・熱いものが触れたりすると、刺激が内部の神経に伝わって痛みを感じる部分とされています(日本歯科医師会 テーマパーク8020「知覚過敏」)。

セラミック治療では、エナメル質だけでなく象牙質まで削って形を整えることが多いため、神経が残っている歯では麻酔を使うのが一般的です。処置中に痛みを感じたときに手を挙げるなど、あらかじめ合図を決めておくと、麻酔の追加などの対応をお願いしやすくなります。

型取りは痛い?麻酔は必要?

型取りそのものは、歯の形を写し取る処置なので、強い痛みを伴うものではありません。ただし、被せ物の縁を歯ぐきの際にきれいに合わせるために、細い糸などで歯ぐきを一時的に押し広げる処置(歯肉圧排)を行うことがあり、その際に圧迫感や痛みを感じることがあります。

削る処置と同じ日に型取りを行う場合は、麻酔が効いている間に進めることが多く、別の日に行う場合は、歯の状態に応じて麻酔を使うかどうかを判断します。神経が残っている歯では、型取りの材料の冷たさでしみることもあります。

麻酔が切れた後、押し広げた部分の歯ぐきにヒリヒリとした痛みが数日残ることがありますが、日ごとに落ち着いていくことが多いとされています。

型取りの材料や器具でえずきやすい方は、事前に伝えておくと、姿勢や呼吸の工夫、方法の相談がしやすくなります。医療機関によっては、口腔内スキャナー(口の中を撮影して歯の形をデータで読み取る機器)を用いる場合もあります。

麻酔が効きにくいことがあるのはどんなとき?

局所麻酔は多くの場面で効果が期待できますが、次のような状況では効きにくいことがあるとされています。

  • 歯の神経や周りの組織に強い炎症があるとき(炎症のある部位では麻酔薬が作用しにくくなると考えられています)
  • 下あごの奥歯など、周りの骨が厚く、麻酔薬が神経まで届きにくい部位
  • 以前の歯科治療で、麻酔が効きにくかった経験があるとき
  • 強い緊張や不安で、痛みを感じやすくなっているとき

このような場合、麻酔を追加する、神経の通り道の近くに麻酔をする方法(伝達麻酔)を用いる、薬などで炎症を落ち着かせてから処置を行う、といった対応が検討されます。「麻酔が効きにくい」と言われたことがある方は、治療前にその旨を伝えておくことが大切です。

セラミックの仮歯の期間に痛い・しみるのはなぜ?過ごし方の注意点

仮歯の期間には、しみる・噛むと痛い・歯ぐきが痛いといった症状が出ることがあります。仮歯は、最終的なセラミックができあがるまでの間、削った歯を守り、見た目や噛む機能を補うための一時的な歯で、精度や密閉性が最終的な被せ物ほど高くないためです。

仮歯の期間に起こりやすい症状と理由

  • 冷たいもの・熱いものがしみる:仮歯と歯のわずかなすき間から刺激が伝わったり、仮歯を留める仮の接着剤(仮着材)がすり減ったりすることが考えられます。
  • 噛むと痛い:仮歯が周りの歯より高く当たっていると、その歯に力が集中して痛むことがあります。
  • 歯ぐきが痛い・腫れる:仮歯の縁が歯ぐきに当たっていたり、汚れがたまりやすかったりすると、歯ぐきに炎症が起こることがあります。
  • 仮歯が取れる・欠ける:仮歯は外しやすいように仮の接着剤で留めているため、硬いものや粘りのあるものを噛むと外れることがあります。

仮歯の期間の過ごし方

  • 硬い食べ物や、ガム・キャラメルなど粘着性のある食べ物は避け、できるだけ反対側で噛む
  • 歯みがきは仮歯の周りも丁寧に行い、デンタルフロスは上に引き上げず、横に引き抜くようにする
  • しみるときは、極端に冷たい・熱い飲食物を控える
  • 仮歯が取れたり欠けたりしたら、市販の接着剤などで自分で付けず、歯科医院に連絡する

仮歯が外れたままにしておくと、削った歯がしみやすくなるだけでなく、歯が少しずつ動いて、できあがったセラミックが合いにくくなることがあります。噛むと強く痛む、歯ぐきの腫れが引かないといった場合も、次の来院日を待たずに連絡しておくと、早めに対応しやすくなります。

セラミックを入れた後に噛むと痛い・しみるのはなぜ?いつまで続く?

セラミックを入れた後のしみる・噛むと痛いといった症状は、歯を削った刺激や噛み合わせの高さなどによって起こることがあり、日ごとに軽くなっていくものは経過を見るのが一般的です。一方で、原因によっては調整や追加の処置が必要になります。

前述の日本歯科医師会「知覚過敏」の解説でも、むし歯の治療後に知覚過敏が起きることは時としてあり、歯を削る処置そのもので神経が痛みを感じやすくなることや、治療法によって噛み合わせたときに痛みを感じることがあるとされています。

そのうえで、しばらく経過を見て症状がなくなる場合もある一方、再治療や神経を取り除く治療が必要になることもあると説明されています。

装着後に痛みやしみる症状が出る主な原因

  • 削った刺激による一時的な知覚過敏:知覚過敏とは、冷たいものや歯ブラシなどの刺激で一時的な鋭い痛みが生じる状態のことです。治療で歯を削った刺激により、神経が一時的に敏感になることがあります。
  • 噛み合わせの高さ:セラミックがわずかに高く、特定の歯だけが強く当たっていると、噛んだときに痛みが出ることがあります。
  • 接着剤(セメント)の刺激や残り:装着の処置で一時的にしみたり、歯ぐきの溝に接着剤がわずかに残って、歯ぐきの炎症につながったりすることがあります。
  • 元の虫歯が神経の近くまで深かった:虫歯が深かった歯では、治療後に神経の炎症(歯髄炎)が起こることがあり、その場合は神経の治療が必要になることがあります。
  • 歯ぐきの炎症:型取りや仮歯の期間の刺激、清掃のしにくさなどから、歯ぐきが痛んだり腫れたりすることがあります。

噛むと痛いのはいつまで?経過の目安

削った刺激による一時的な症状であれば、日を追うごとに少しずつ軽くなっていくのが一般的な経過です。どのくらいで落ち着くかは、削った量、元の虫歯の深さ、神経の状態などによって異なり、個人差があります。

目安として大切なのは、期間よりも「変化の方向」です。少しずつ軽くなっているなら経過を見ることが多い一方、軽くならない、むしろ強くなる、何もしなくても痛むといった場合は、期間にかかわらず早めにご相談ください。

噛んだときの痛みが「この歯だけ先に当たる」感覚を伴う場合は、噛み合わせの高さが原因のことがあります。日本歯科医師会は、特定の歯だけが反対側の歯とぶつかっているケース(咬合性外傷)では、できるだけ噛み合わせずに痛い歯を使わないようにし、早めに歯科医院で治療を受けるよう案内しています(日本歯科医師会 テーマパーク8020「お口の119:かむと痛い」)。

噛み合わせの高さは調整で改善が期待できることがあり、噛み合わせとセラミックの関係は噛み合わせとセラミック治療の関係を解説した記事で詳しくご紹介しています。

セラミック治療後に歯茎が痛いときは

装着後に歯ぐきが痛む・腫れる場合は、型取りや仮歯の期間の刺激が残っている、接着剤がわずかに残っている、セラミックの縁の周りに汚れがたまっている、といった原因が考えられます。

刺激による一時的なものは徐々に落ち着くことが多いですが、腫れが引かない、出血が続く、膿が出るといった場合は、歯周病や根の先の炎症などが関係していることもあります。セラミックの縁の周りは歯ブラシが届きにくいこともあるため、デンタルフロスなども使って清潔に保つことが大切です。

様子を見てよい痛み・すぐ相談したい痛みの見分け方

様子を見てよいことが多いのは、刺激があったときだけ一瞬しみてすぐ治まり、日ごとに軽くなっていく痛みです。反対に、何もしなくても痛む、熱いもので痛む、痛みが長く続く・強くなる、腫れがあるといった場合は、早めに相談したいサインです。

日本歯科医師会の「お口の119:歯がしみる」では、熱いもので痛む場合は歯の神経の炎症が疑われること、また、詰めたり被せたりしていても元のむし歯が深いケースや、詰め物の周囲にむし歯ができたケース(2次う蝕)でも冷たい水でしみることがあると紹介されています(日本歯科医師会 テーマパーク8020「お口の119:歯がしみる」)。

同会の「知覚過敏」の解説でも、痛みの持続時間が比較的長い場合や非常に激しい場合は、歯の神経に炎症などの変化が起きていることも疑われるとしています。

こんなときは歯科医院に相談を

症状・状況 考えられること(例) 相談のタイミング
冷たいものに一瞬しみるが、すぐ治まり、日ごとに軽くなっている 削った刺激による一時的な知覚過敏 次回の来院時に伝える(悪化したら早めに相談)
噛むと痛い、特定の歯だけが先に当たる感じがする 噛み合わせの高さ 早めに相談(調整で改善が期待できることがある)
熱いものでズキズキ痛む、何もしなくても痛む、夜も気になる 歯の神経の炎症の疑い できるだけ早く受診
しみる・痛む時間が長く続く、日に日に強くなる 神経の炎症などの変化 できるだけ早く受診
歯ぐきが腫れる、膿が出る、噛むと響くように痛む 根の先や歯ぐきの炎症、歯根破折など できるだけ早く受診
セラミックが欠けた・外れた・ぐらつく セラミックの破折・脱離、土台や根の問題 早めに相談(外れたものは保管して持参)
治療から数年たって、しみる・噛むと痛い・歯ぐきが下がった 二次う蝕、歯周病、破折など 早めに相談、定期検診で確認

当てはまる症状があるときは、我慢して様子を見続けるよりも、一度お口の状態を確認することをおすすめします。

なお、痛み止めで一時的に楽になっても、原因が解決したわけではありません。前述の「お口の119:かむと痛い」でも、痛み止めの薬が効くことはあるものの、放っておくとひどくなるので早めに治療を受けるよう案内されています。

神経を抜いた歯・数年後のセラミックが痛むのはなぜ?

神経を取った歯でも、歯の周りの組織や根の先、歯ぐきは痛みを感じるため、痛むことがあります。また、治療から数年たって痛みが出た場合は、二次う蝕、歯周病、歯やセラミックの破折などが考えられます。

神経を抜いた歯のセラミックが痛む主な原因

神経を取った歯は、歯の中の神経がないため、冷たいものにしみることは基本的にありません。それでも痛む場合は、歯を支える周りの組織に原因があることが考えられます。

  • 根の先の炎症:根の中に細菌が残っていたり、再び入り込んだりして、根の先に炎症が起こることがあります。噛むと響く、歯ぐきが腫れる、膿が出るといった症状につながることがあります。
  • 歯の周りの線維の炎症:前述の「お口の119:かむと痛い」では、すでに神経を取っている歯でも、歯の周りの線維に炎症を起こしているケース(歯根膜炎など)が挙げられています。
  • 歯根破折:神経を取った歯はもろくなりやすいとされ、根にひびが入ったり割れたりすると、噛んだときの痛みや歯ぐきの腫れが出ることがあります。
  • 噛み合わせの強い当たり:強く当たっている場合、神経がなくても歯の周りの組織が痛むことがあります。

根の先の炎症は、根の中をもう一度きれいにする治療(根管治療のやり直し)で対応することがあります。歯根破折は、ひびの位置や程度によっては歯を残すことが難しい場合もあります。被せ物がぐらつく原因としての歯根破折については、差し歯がグラグラする原因と歯根破折を解説した記事をご覧ください。

数年後にセラミックの歯が痛くなったら

セラミックそのものは虫歯になりませんが、セラミックと歯の境目や、その下の歯は虫歯になることがあります。治療から数年たってからの痛みには、主に次のような原因が考えられます。

  • 二次う蝕:セラミックと歯の境目から、再び虫歯ができることがあります。しみる、境目が黒っぽく見える、フロスが引っかかるといった変化がきっかけで見つかることがあります。
  • 歯周病:歯ぐきが下がって歯の根元が出てくると、しみやすくなったり、噛むと痛んだりすることがあります。
  • 歯やセラミックの破折:歯ぎしりや食いしばりなどの強い力で、セラミックや土台の歯、根にひびが入ることがあります。
  • 噛み合わせの変化:周りの歯の治療やすり減りなどで、噛み合わせのバランスが変わることがあります。

二次う蝕や歯周病は、初期には自覚症状が乏しいこともあります。定期検診で境目の状態や歯ぐきを確認しておくことが、早めの対応につながります。予防の考え方は二次カリエス(二次う蝕)の予防方法を解説した記事でまとめています。歯ぎしりや食いしばりがある方は、就寝時のマウスピースなど、歯を守る方法も相談するとよいでしょう。

セラミック治療の前に伝えておきたいことチェックリスト

痛みへの不安を減らすためには、治療前に歯科医師へご自身の状況を伝えておくことが役立ちます。麻酔の種類や量、処置の進め方、休憩の取り方などを、事前の情報をもとに調整しやすくなるためです。

治療前に伝えておくとよいこと

  • 以前の歯科治療で、麻酔が効きにくかった、または効くまでに時間がかかったことがある
  • 麻酔の注射の後に、動悸やめまいが起きた、気分が悪くなったことがある
  • 心臓病・高血圧・糖尿病などの持病がある、定期的に通院している
  • 服用中のお薬がある(血液をサラサラにする薬などを含む)、お薬や食べ物のアレルギーがある
  • 妊娠中、または妊娠の可能性がある、授乳中である
  • 歯科治療への恐怖心や、痛みへの強い不安がある
  • 型取りや器具でえずきやすい、長い時間口を開けているのがつらい
  • 治療予定の歯に、しみる・ズキズキする・噛むと痛いなどの症状がある
  • 歯ぎしりや食いしばりを指摘されたことがある

なぜ持病や服薬を伝える必要があるの?

歯科の局所麻酔薬には、効果を持続させるために血管を収縮させる成分を含むものがあり、心臓病や高血圧などの持病によっては、麻酔薬の種類や量に配慮することがあります。また、血液をサラサラにするお薬を飲んでいる場合は、出血への配慮が必要になることがあります。お薬手帳をお持ちの方は、受診時にご持参いただくとスムーズです。

麻酔の後に気分が悪くなった経験は、麻酔薬そのものではなく、緊張や不安によって一時的に血圧が下がる反応が関係していることもあります。いずれの場合も、自己判断せずに事前に伝えていただくことで、体勢や進め方を工夫しやすくなります。

痛みへの不安が強い方が相談しやすいこと

  • 処置の前に、何をするのか、どのくらい時間がかかるのかを説明してもらう
  • 痛みを感じたときの合図(手を挙げるなど)を決めておく
  • 途中で休憩をはさめるかを確認する
  • 麻酔の注射が苦手なことを伝え、表面麻酔などの工夫について相談する

不安や疑問を事前に共有しておくことは、痛みの感じ方だけでなく、治療計画を一緒に考えるうえでも役立ちます。当院で行っているセラミック治療の内容は、当院のセラミック治療についてのページでご案内しています。

よくある質問(FAQ)

セラミック治療は痛いですか?麻酔はしますか?

歯を削る処置などは、局所麻酔で痛みを抑えながら行うのが一般的です。麻酔が効いていれば、処置中は痛みよりも振動や押される感覚を感じることが多いとされます。麻酔の注射のチクッとした感覚や、治療後の一時的なしみ・噛んだときの痛みが出ることはあるため、不安な方は事前にご相談ください。

麻酔なしでセラミック治療はできますか?

神経を取った歯では、歯そのものが痛みを感じにくいため、処置の内容によっては麻酔を使わずに進める場合もあります。ただし、歯ぐきの際を削る場合などは麻酔を使うことがあり、神経が残っている歯では麻酔を使うのが一般的です。麻酔の要否は、歯の状態を診察したうえで判断します。

型取りや仮歯の期間は痛みがありますか?

型取りそのものは強い痛みを伴う処置ではありませんが、歯ぐきを押し広げる処置の圧迫感や、材料の冷たさでしみることがあります。仮歯の期間は、すき間からの刺激でしみる、高さや縁の当たりで噛むと痛い・歯ぐきが痛むことがあります。症状が強いときや仮歯が外れたときは、早めにご連絡ください。

セラミックを入れた後、噛むと痛いのはいつまで続きますか?

削った刺激による一時的な症状であれば、日を追うごとに軽くなっていくのが一般的ですが、期間には個人差があります。特定の歯だけが強く当たる感じがある場合は噛み合わせの高さが原因のことがあり、調整で改善が期待できることがあります。軽くならない、強くなる場合は、期間にかかわらずご相談ください。

治療後にしみるのは失敗ですか?

治療後のしみる症状は、歯を削る処置の刺激などで起こることがあり、それだけで治療の失敗とは限りません。しばらく経過を見て落ち着く場合もあります。一方で、熱いもので痛む、何もしなくても痛む、長く続く・強くなるといった場合は神経の炎症などが疑われ、追加の処置が必要になることもあるため、早めに受診してください。

神経を抜いた歯のセラミックが痛むのはなぜですか?

神経を取った歯でも、歯の周りの組織や根の先、歯ぐきは痛みを感じます。根の先の炎症、歯の周りの線維の炎症、歯根破折、噛み合わせの強い当たりなどが主な原因として考えられます。噛むと響く、歯ぐきが腫れる、膿が出るといった症状がある場合は、レントゲン検査などで原因を確かめる必要があるため、早めにご相談ください。

何年か経ってからセラミックの歯が痛くなったらどうすればいいですか?

セラミックと歯の境目からの二次う蝕、歯周病による歯ぐきの下がり、歯やセラミックの破折、噛み合わせの変化などが考えられます。初期には自覚症状が乏しいこともあるため、痛みやしみる感じ、欠け、ぐらつきに気づいたら早めに受診し、原因を確認することが大切です。日頃から定期検診を受けておくと、早めの対応につながります。

麻酔が効きにくい体質と言われたことがあります。どうすればいいですか?

治療前に、そのことを歯科医師に伝えてください。炎症が強い歯や、下あごの奥歯など骨が厚い部位では麻酔が効きにくいことがあり、麻酔の追加、伝達麻酔(神経の通り道の近くに行う麻酔)、炎症を落ち着かせてから処置を行うなどの対応が検討されます。過去の治療の状況も、わかる範囲でお伝えいただくと参考になります。

自由診療について

  • 治療内容: セラミックの詰め物・被せ物で歯を修復する治療(保険適用外)
  • 費用: 自由診療(保険適用外)。費用は治療内容・本数・素材等により異なります。標準的な費用は費用・保証についてをご確認ください。
  • 期間・回数の目安: 歯を削って型取りをしてから装着まで、一般に複数回の通院が必要です。期間・回数は歯の状態や本数、根の治療の有無などにより異なります。
  • 主なリスク・副作用: 治療後の一時的なしみる症状や噛んだときの痛み、神経に影響が及び根の治療が必要になる可能性、歯を削る必要があること、セラミックの破折・脱離(外れること)
  • お問い合わせ: アクセス・診療時間/お電話 03-5875-0377

江東区西大島でセラミック治療の痛みや麻酔のご相談なら

セラミック治療の痛みの感じ方や麻酔の進め方は、歯の状態やこれまでの治療の経過によって変わります。次のような方は、まずはご相談ください。

  • セラミック治療を検討しているが、麻酔や歯を削るときの痛みが不安な方
  • 以前に麻酔が効きにくかった経験があり、進め方を事前に相談したい方
  • セラミックを入れた後、しみる・噛むと痛い症状が続いている方
  • 神経を取った歯や、数年前に治療したセラミックの歯に違和感がある方

初回のご相談からセラミック治療開始までの一般的な流れは、次のとおりです。

  1. WEB予約またはお電話でご予約いただきます
  2. 気になっている症状や、痛み・麻酔についての不安、これまでの治療の経過をお伺いします
  3. お口の中の検査やレントゲンなどで、歯や歯ぐき、神経の状態を確認します
  4. 検査結果をもとに、考えられる治療方法、麻酔の使い方、期間や費用の目安をご説明します
  5. ご納得いただいたうえで治療を始めます(虫歯や根の治療が必要な場合は、その処置を含めて計画します)

当院は都営新宿線「西大島駅」A4出口より徒歩1分です。土曜日も診療しており、日曜日は不定休、月曜日・祝日は休診です(完全予約制)。お口の状態を拝見し、診察のうえでご説明します。

参考文献・出典

監修:渡辺 一彦(院長/医療法人社団デルタ)プロフィール

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療方針は診察のうえ個々の状態により異なります。詳しくは歯科医師にご相談ください。

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